生物物理
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若手の会だより
若手の会だより
~第64回生物物理若手の会夏の学校のすすめ~
武井 梓穂
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2024 年 64 巻 3 号 p. 168-169

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私と夏の学校の出会い

若手の会?夏の学校?そんなの意識高い人しかいないでしょ.私には関係ない話.

研究室配属以前はバイト三昧だった私にとって,研究室という環境はまさに異世界で,しかも実験は失敗続き,なんとなく研究を後ろ向きに捉えてやさぐれていた学部4年生.先輩が校長を務めているという第60回夏学1)へ(半ば強制的に)参加登録しました.待っていたのは,たくさんの「かっこいい研究者」たち.意識が高いなんて皮肉を飛び越えるような研究への熱量と活気に,強い憧れを抱きました.努力の矛先を探して空虚だった私は,目標を見つけたのです.

申し遅れました.私は第64回生物物理若手の会夏の学校(以下夏学)の教頭を務めております,武井と申します.「教頭」という役職は生物物理夏の学校独自の名称であり,有り体に申し上げれば副実行委員長ということになります.

夏学は,生物物理学を専攻している,あるいは興味を持っている全国の大学生・若手研究者を対象とする合宿形式の勉強会です.今回の若手の会だよりは第64回夏学のご案内です.

今年の夏学は“北海道”!!

今年の夏学は北海道支部が中心となって運営に臨んでおり,北海道現地開催を8年ぶり2)に実現することとなりました.北海道夏学といえば「支笏湖ユースホステル」ですが,当該施設は残念ながら2021年に惜しまれつつ閉館.そこでアクセスの良さや近年の参加者増加傾向を踏まえ,札幌市の定山渓万世閣ホテルミリオーネにて夏学を開催することとなりました.定山渓は北海有数の温泉地!研究談義に花を咲かせつつ,涼しい北海道でのんびり温泉に浸かりながら,美味しいものをたくさん食べて,一石四鳥の夏学間違いなしです!

会期:2024年8月26日(月)~8月29日(木)

開催形式:合宿形式の対面実施(一部企画にてオンデマンド配信を予定)

会場:北海道札幌市定山渓万世閣ホテルミリオーネ

Gradation~あなたと世界を彩る生物物理~

本夏学では,上記をテーマに掲げました.生物物理学が対象とする生命現象は多岐に渡り,用いる研究手法も多種多様です.加えて,移り変わりが早く複雑な現代社会においては,分野横断的・融合的研究も重視されます.そこで本夏学は,講師の先生や参加者が持つそれぞれの研究・資質・個性を混ぜ合わせたGradationの中から,分野横断的・融合的な新たな視点を生み出す場となることを目標としています.「生物物理学」という共通言語を通じて,自分と世界との関わりを豊かに思い描く夏にしましょう!

夏学恒例!研究セミナー!

夏学のメイン企画として,Gradationに富んだ総勢18名の豪華講師陣をお招きし,各種セミナーを予定しています(図1).

図1

第64回夏学の講師一覧

オープニング・クロージングセミナーにてご講演いただく高橋聡教授(東北大学),坂内博子教授(早稲田大学)は生物物理学会の会長及び副会長を務められており,研究談義のみならずこれからの生物物理学の展望を熱くご講演いただきます.

新企画として実施する異分野融合セミナーは,「生命現象をどう理解するか?」をテーマとしました.個体,細胞,そして分子という異なる階層を専門に持つ4名の先生方にご講演いただきます.さらにはパネルディスカッションにて先生方の科学哲学を激論していただく予定です.

夏学恒例,どちらに参加するか迷ってしまう分科会には新進気鋭の8名の先生方がご講演予定です.オンデマンド配信も予定しているので分身の必要なし!

まだまだあります講演企画!サイエンスコミュニケーションをテーマに,SNSの使い方やサイエンスビジュアライゼーションなど,「他者へ伝えるスキル」をご教授いただきます.

初参加でも安心!研究交流会!ポスター発表!

座学の講義に留まらず,参加者同士が密に交流できるのも夏学の醍醐味!初日夜に実施予定の研究交流会では,数名のグループを組んでいただき,研究・趣味なんでもありの自己紹介をしていただきます.一晩の間に一生の友ができることでしょう!毎年恒例のポスター発表も盛り上がること間違いなし.学会よりもラフな雰囲気で気軽に議論をかわしましょう!今年は学部生対象の新人賞を新設します.

夏学へ参加するための資格は特にありません.毎年,学部生からポスドク,助教など幅広い年代の方に参加いただいております.冒頭の私のようなやさぐれた学部生には世界の広さを知って欲しいですし,研究にどっぷり浸かった修士・博士の学生には,切磋琢磨しあえる恒久の好敵手を見つけて欲しいです.もちろん,その先のキャリアを歩まれている方にも是非ともご参加いただき,その経験や哲学をご教授いただきたいなと願っています.

でも,北海道は遠いし高そう…と思われたそこのあなた!夏学では旅費・参加費補助をご用意いたします.参加登録は,図2左のQRコードから特設HPにアクセスください.なお,現地参加登録やポスター発表,補助には限りがあります.参加登録はお早めに!

図2

夏学HP(左)及び協賛フォーム(右)

6月にはIUPAB2024を控え,大いに盛り上がっている生物物理学.祭りの勢いそのままに,夏の北海道へひょいっとお越しくださいませ!

夏学を応援していただける皆様へ~個人協賛ご協力のお願い~

夏学は多くの若手研究者に参加いただき,生物物理学の議論や交流を促進することを通して,生物物理学の発展の大きな礎とすることを目的としています.参加者の金銭的負担を軽減できるよう,皆様からの個人協賛金は運営費に充てさせていただき,多くの若手研究者が参加できる夏学を目指しております.ご賛同いただける方は,図2のQRコードよりお申し込みをお待ちしています.夏学,ひいては若手の会のさらなる発展のために,ご支援賜りますよう何卒よろしくお願いいたします.

夏学運営スタッフ

以下をはじめとするメンバーにより企画・運営中です.全スタッフリストは夏学HPをご確認ください.

校長:柴垣光希(北大),教頭:武井梓穂(北大),会計:神田幸輝(北大),広報:南未来(北大),講演:武川祐一郎(北大),企画:犬飼紫乃(名工大),ホームページ:髙橋奏太(北大),ポスター・予稿集:吉川一歩(北大),デザイン:安藤奈緒美(北大)

謝辞

夏学を開催するにあたり,多くの企業及び研究機関,財団法人の皆様より多大なご支援ご協力をいただいております.また,夏学の運営に関しまして,過去の夏学運営スタッフの皆様からも多くの助言や声援,協力をいただきました.この場を借りて厚く御礼申し上げます.

文献
 
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