生物物理
Online ISSN : 1347-4219
Print ISSN : 0582-4052
ISSN-L : 0582-4052
用語解説
用語解説
ジャーナル フリー HTML

2024 年 64 巻 5 号 p. 269

詳細

流動モザイクモデル Fluid mosaic model

1972年にSingerとNicolsonにより提唱された,生体膜の基本的な構造と性質を説明するモデル.脂質二重層にタンパク質がモザイク状に埋め込まれ,脂質もタンパク質も熱揺らぎで流動的に振る舞う.(235ページ)(藤原,楠見)

接着斑ユニット群島モデル Focal adhesion unit archipelago model

直径30 nm程度の接着斑構成分子の複合体(島)が,直径300 nm程度のゆるやかなクラスター(群島)を形成し,10秒程度のタイムスケールで動的に再編成されることで,接着斑の力応答の基本単位(ユニット)の役割を果たしているというモデル.(240ページ)(藤原,楠見)

プロセッシブモーター Processive motor

レールとなるアクチンフィラメントや微小管から解離せずに複数回のATP加水分解反応を行うことによって,長距離の一方向運動を行うモータータンパク質の総称.(242ページ)(岩城ら)

ブラウニアンラチェット Brownian ratchet

等方的な熱ゆらぎ運動(ブラウン運動)を行う物体に対して,空間的に非対称な性質を持つ相互作用ポテンシャルが働く,もしくは,前後で非対称な結合解離の状態遷移を行うなどの性質により,一方向の運動を生み出すしくみ.(245ページ)(岩城ら)

蛍光共鳴エネルギー移動 Fluorescence (Förster) resonance energy transfer; FRET

蛍光分子(ドナー)の近傍(10 nm以下程度)に別の分子(アクセプター)が存在する場合に,ドナーからアクセプターへエネルギーが光の放出なしに移動する現象.ドナー(例えば GFP)の近傍にアクセプター(例えばRFP)が存在するとき,FRETが起こり,1)GFPの蛍光輝度が下がり,RFPの蛍光輝度が上がる,2)GFPの蛍光寿命が短くなる.したがって,蛍光強度,あるいは蛍光寿命を測定することでFRETを測定できる.(248ページ)(小橋)

蛍光寿命 Fluorescence lifetime

蛍光分子が励起状態に遷移してから蛍光を放出するまでの時間.蛍光分子毎に特有の値を持っていて,pHや温度,イオン濃度や分子結合などによって変化する.(248ページ)(小橋)

化学誘導二量体形成法 Chemically inducible dimerization system

細胞内で,小分子化合物を用いて2つのタンパク質間の結合を操作する技術.今回は,FK506結合タンパク質(FKBP)と,FKBPとラパマイシンとの複合体に対する結合タンパク質であるFRBを用いて,ラパマイシンを添加することでFKBPとFRBの結合を誘導した.(249ページ)(小橋)

二光子レーザー Two-photon laser

この技術では,レーザーは短いパルスで照射され,光子が対物レンズの焦点に極端に集中する.この集中された光子のエネルギーによって,試料の小さな領域でのみ光が吸収され,蛍光を発生させることができる(二光子励起蛍光顕微鏡の原理).(251ページ)(山本)

電気シナプス Electrical synapse

電気シナプスはギャップ結合による小さな孔を介して細胞間を直接つなぎ,イオンや分子の移動により迅速な信号伝達をおこなう.RP1細胞とCB細胞の同期発火も,この電気シナプスの機能によるとされる.(253ページ)(山本)

ヒドラの神経系(RP1細胞・CB細胞など) Hydra nervous systems (RP1 cells·CB cells)

ヒドラは刺胞動物で,散在神経系を持ち,全11種類の神経細胞がある.外側表皮に8種,内側に3種が存在.RP1細胞とCB細胞は電気生理的特性から知られ,それぞれHym355Hym176という神経ペプチド遺伝子をマーカーとして用いられる.(254ページ)(山本)

 
© 2024 日本生物物理学会
feedback
Top