ポリペプチド鎖が折りたたまれて形成される立体構造の基本単位を指す.αヘリックスやβシートの二次構造の組成,空間的配置,順序によって定義づけられ,これらが同じであれば同じフォールドとみなされる.(243ページ)(八木)
同じアミノ酸配列であっても,異なる立体構造を取る特殊なタンパク質を指す.環境条件の変化に依存して可逆的な構造変化を起こし,異なる機能を示すこともある.(245ページ)(八木)
分子進化の過程で生じるタンパク質配列の再編成であり,N末端とC末端の位置が変化することで新たな立体構造を生み出す変異である.これは遺伝子重複や組換え,遺伝子融合などの過程を通じて生じると考えられている.(246ページ)(八木)
商品名のAerosol-OTやDocusateでも呼ばれる.重量あたりの価格が一般的なリン脂質の1/100以下の安価な両親媒性分子で,マイクロエマルションや逆ミセルの調整剤としてよく用いられるが,適当濃度の塩の存在下でベシクルも構成する.(248ページ)(栗栖)
単にLagrange(の運動)方程式とも呼ばれる.「関数の関数」である汎関数を最小(最大)にする関数を求めるための方程式.詳しい内容は適当な解析力学の教科書を参照.(250ページ)(栗栖)
タンパク質や高分子などの分子系を,複数原子単位でまとめた粒子の連なりとして表現し,計算コストを抑えつつ動態を解析する手法.多分子かつ長時間スケールのシミュレーションが可能なため,相分離などの研究に用いられるが,細部の正確性は低下する.天然変性領域の物理的性質の議論に近年よく用いられている.(252ページ)(足立,川口)
気体の圧力や溶液の浸透圧を分子密度についてべき級数展開したときに現れる係数で,理想気体からのずれを表す.特に,分子密度について二次の項の係数は第二ビリアル係数と呼ばれ,二分子間の相互作用に由来する.(253ページ)(足立,川口)
液体クロマトグラフ(LC)と質量分析計(MS)を組み合わせた分析手法.LCによる化合物の溶出時間と,MSによる分子イオンの断片化パターン(MS/MSスペクトル)を組み合わせることで,脂質の構造を解き明かすことができる.(266ページ)(時吉ら)
分離カラム内を通過する移動相の線速度のうち,最も高い分離効率が得られる速度.ピーク拡散に関わる要因を総合的に評価するvan Deemter曲線において,理論段1段に相当するカラム長さ(理論段高)が最小となる点から求められる.(266ページ)(時吉ら)
共有結合が開裂する際に,結合していた2つの原子がそれぞれ1つずつ電子を受け取ってラジカルとなる開裂反応.一般に比較的高いエネルギーを必要とし,頻用される衝突誘起解離法(CID)では起きない反応となる.(267ページ)(時吉ら)