2025 年 65 巻 5 号 p. 285-286
・会長:黒田 裕(東京農工大学)
・幹事:赤沼哲史(早稲田大学)
・幹事:千葉 薫(茨城工業高等専門学校)
・会計:光武亜代理(明治大学)
・会計監査:池口雅道(創価大学)
関東支部会は,関東地区に在住する日本生物物理学研究者の有志によって構成される.関東地区とは,茨城県,群馬県,栃木県,埼玉県,千葉県,東京都,神奈川県,山梨県,新潟県の1都8県およびその周辺地域と定義される.
「関東支部会」は平成23年(2011年)に設立され,翌年(2012年)に「第0回支部会」として最初の研究会が東京農工大学で開催された.設立の目的は,日本生物物理学会年会が「難解かつ頻繁に英語による発表が中心」となるなかで,初学者にも理解しやすい日本語による研究発表と議論の場を提供することであった(現在は英語発表もある).これは,生物物理学への関心を高め,将来的な研究者育成にもつながるとの意図が込められている2),3).
2025年には,第14回支部会が3月4日~5日の2日間にわたり,東京大学柏キャンパス物性研究所にて開催された.今回は,74名(一般25名,高等専門学校生,大学生および大学院生39名,図1)が参加するなか,学生を中心に34件の発表があった.本支部会は,学生が口頭発表に挑戦できる貴重な機会であると改めて感じた.

2025年第14回関東支部会の集合写真.
初日午前には,タウ蛋白質やアルツハイマー病に関連する蛋白質を用いた研究が発表され,午後には機械学習による抗体価の解析という新たな試みが報告された.2日目には,細胞の磁場応答やX線による時分割動態計測などが扱われ,両日とも和やかな雰囲気のなかで活発な議論が行われた.
懇親会は柏キャンパス内の「プラザ憩い」にて実施された.3月にもかかわらず,朝から雪がちらつく寒い日であったが,雪が本格的に降り出すなか,参加者は構内を移動し懇親会場に集い,楽しいひとときを過ごした.帰路につく頃には,柏キャンパスの雪景色が街灯に照らされ,美しい光景が広がっていた(図2).

懇親会が終わるとキャンパスは真白であった.3月に雪が積もるのは久しぶり.
生物物理学の研究対象は,分子構造解析,構造生物物理学,細胞運動,神経信号伝達,分子モーター,イメージング技術,シミュレーションなど多岐にわたることが広く知られている.一方で,執筆者の個人的見解ではあるが,生物物理学のなかで免疫学に関する研究はあまり取り上げられてこなかったという印象を持っている.たとえば,2025年の日本生物物理学会分野別専門委員の一覧を参照すると,163の専門分野のうち免疫に関係するのは,「抗体(もの)」「免疫受容体(もの)」「免疫学的手法(方法)」「免疫(機能)」「抗体工学(概念)」の5つほどである4).
執筆者は最近の研究において,免疫系を蛋白質と免疫細胞から構成される生物物理学的な「系」(ネットワーク)として捉えることに強い関心を持っている.現在は,このような研究が,感染症や自己免疫疾患をはじめとする免疫関連疾患の治療・予防に寄与する生物物理学の新たな研究領域へと発展することを夢見て,研究を続けているところである.
本記事の執筆にあたり千葉薫先生のご協力に感謝する.