局在AFMは,探針や試料由来のぼやけが含まれている通常のAFM像から,粒子などの高さのピーク位置のみを抽出し,同一もしくは複数の分子に由来する多数の画像を用いて高分解画像を再構成する手法.基本原理は局在顕微鏡の画像処理と同じ.(302ページ)(角野ら)
精製した生体分子(タンパク質や生体高分子複合体など)の溶液を急速凍結(クライオ固定)し,クライオ電子顕微鏡(cryo-EM)で様々な向きの多数の粒子の二次元投影像を取得する.これらの画像をコンピューターで解析・統合することで,分子の三次元構造を原子レベルで再構築する手法である.(310ページ)(渡辺,SAPHIRE)
高エネルギーのイオンビーム(通常ガリウムイオン)をナノスケールの精度で照射し,対象物の表面を削ったり切断したりする技術.そのままでは電子線の透過が困難な細胞や組織などから薄片を作製することで,電子顕微鏡による三次元構造解析を可能にする.近年では,より高速・広範囲な加工が可能なプラズマFIB技術も開発されている.(310ページ)(渡辺,SAPHIRE)
細胞や組織を対象に,光学顕微鏡による蛍光観察で得られる分子局在や機能情報と電子顕微鏡による高分解能な構造情報を組み合わせる解析法.細胞内で標識した特定のタンパク質の位置と構造を対応づけたり,その周辺の細胞内小器官の同定解析を可能にする.(310ページ)(渡辺,SAPHIRE)
尤度関数は,確率モデルのデータへの当てはまりの良さを示すものであり,値が大きいほど良いモデルと評価される.対数尤度は尤度関数の対数をとったもの.尤度関数は積の形で表されることが多く,対数を取ることで和の形になり計算が容易になるため,機械学習や統計学で広く用いられる.(330ページ)(松永ら)
機械学習において,モデルの予測精度と実際の値との間の「ずれ」を定量的に示す関数.この関数の値が小さいほど,モデルの性能が良いことを意味する.学習の際には,この損失関数を最小化するようにモデルのパラメータが探索される.負の対数尤度が使われることが多い.(330ページ)(松永ら)
タンパク質の全原子モデルが持つ膨大な原子の情報を,アミノ酸残基単位や特定の部分構造単位などに集約することで,自由度を大幅に削減したモデル.これにより,全原子モデルでは計算コスト的に困難な,巨大なタンパク質複合体や,長時間の現象をシミュレーションで扱うことが可能になる.(331ページ)(松永ら)