2014 年 2014 巻 41 号 p. 91-108
東海道の三番目の宿駅、神奈川宿は坂道の台からみる眺望の良さで知られ、海に面した座敷でくつろぐ人々を歌川広重(初代)も錦絵に描いている。その茶屋の一つに石崎源六があった。俳譜を嗜んだと伝えられる石崎源六は幕末期に神奈川宿周辺の光景を紹介する二つの出版物を制作した。その一つである『三五景一覧』(安政五年.一八五八刊)には十五図の台町からのぞむ光景が描かれ、狂歌、漢詩などが添えられている。本稿では挿絵を描いた絵師について調査した結果、当時の人名録に多く見いだせたので紹介する。