日本学校教育学会年報
Online ISSN : 2758-4941
Print ISSN : 2434-9224
第2部 研究論文
日本の特別活動・総合的な学習の時間と台湾の綜合活動の比較
OECDのコンピテンシーとAgency,国連のSDGs,国際バカロレアの学習者像を視点として
林 尚示林 明煌
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ジャーナル オープンアクセス

2020 年 2 巻 p. 29-40

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抄録
本研究では日本の特別活動( Tokkatsu: Special Activities) と総合的な学習の時間( Period for Integrated Studies)( 以下,総合学習) と,台湾の綜合活動(Integrative Activities) との比較を行う。 これは,それぞれの政府の直面する教育政策上の課題とその克服戦略を検討するための示唆を得るためである。そのために,世界規模の教育政策に影響を与える3 つの視点から分析を行う。それは,OECDの提唱するコンピテンシーとAgency,国連の提唱するSDGs,国際バカロレア( IB) の提唱する学習者像である。日本と台湾は,教育政策は独自の決定過程を経ているが,地政学的な特徴( Geopolitics) が類似している。そのため,日本と台湾を比較することとした。各教科は教科書があり世界的にも内容に共通性がある。それに対して,特別活動・総合学習は教科書がなく内容についても世界的な共通性や各国の特徴が明確にはなっていない。一方で,世界の教育はコンテンツからコンピテンシー・エージェンシーの育成にトレンドが移っている。そのため,特別活動・総合学習は従来以上の価値を持つものであると考え,研究対象とした。
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