抄録
筆者はプログラミングの導入授業を,与えられた問題を決められた操作や制御構造のみの組合せによって解決する思考であるアルゴリズム的思考の教育と位置付けて,2008 年度から実践している.この実践において,当初は制約を加えた日本語によるアルゴリズムの記述を行っていた.しかし,個別指導に割く時間の減少などから学習効果が低減したため,ビジュアルプログラミング環境と授業運営支援機能を有する学習支援システムAT を開発し導入した.年度ごとの授業改善とシステムの改善によって,システム導入後に学習効果が向上したことが分かった.更に新たな取組みとして,他の授業で自己調整学習に関して学ぶことが,プログラミングの導入授業の学習活動に及ぼす影響についての調査を行った.本論文では,これまでの実践の概要と評価,学習支援システムAT の概要,自己調整学習に関する学びによる学習活動への影響調査について述べる.