抄録
本稿では,モバイルフロントホール(MFH)を経済的に構築するための光アクセスシステム技術を紹介する.5G 以降では,MFH で多量の光ファイバが必要であり,更にスマートフォンだけでなく急速に普及しているIoT(Internet of Things)端末も含めた効率的な収容方法が必要となる.そこで,これらMFH/IoT トラヒックを一つのレイヤ2 ネットワークで収容し,光ファイバ及び設備コストを削減することが検討されている.このようなネットワークの実現課題として,MFH の遅延保証,マイクロバースト対策,並びにサイバー攻撃によるネットワーク帯域ひっ迫を挙げ,それぞれへの対策技術について述べる.また,高密度に基地局が配置される環境に対しては,PON(Passive Optical Network)によるファイバ集約も効果的であり,遅延要件の厳しいMFH を収容するためのモバイルシステムと連携した帯域割当技術について述べる.