電子情報通信学会 通信ソサイエティマガジン
Online ISSN : 2186-0661
ISSN-L : 1881-9567
解説論文
生態観測へのセンサネットワーク技術の応用
山本 寛山本 麻希山崎 克之
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2013 年 7 巻 2 号 p. 102-110

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抄録
近年,実空間に多数設置したセンサから意味のある情報を収集する情報ネットワークを構築する,センサネットワークという技術に注目が集まっている.センサネットワークは元々は軍事目的の技術であったが,生態/環境観測,農業,スマートグリッドなど,幅広い範囲への応用が検討されている.特に野生生物の生態を観測することを目的とした生態観測の分野は,人が足を踏み入れることさえ困難な場所を対象とした長期的かつ広域な観測が求められるため,センサネットワークの適用分野として有力と考えられる.しかし,センサネットワークの構築に利用できるセンサやプラットホームは開発されているものの,センサデータを長期間収集し続けることのできる実用的なセンサネットワークが構築された事例は少ない.本稿では,まず生態観測のためのセンサネットワークの構築に利用できる要素技術を紹介し,筆者らが実施した新潟県粟島におけるオオミズナギドリ観測センサネットワークの構築事例を紹介する.この実験を通して,センサネットワークにより初めて得ることのできた生態学的な知見を述べ,生態観測の分野へセンサネットワークを適用する有効性を示す.
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© 2013 一般社団法人 電子情報通信学会
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