電子情報通信学会 通信ソサイエティマガジン
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解説論文
福島第一原子力発電所事故における放射線量の計測と分析
石川 宏
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2014 年 7 巻 4 号 p. 312-318

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抄録

東日本大震災に伴う東京電力福島第一原子力発電所事故から3年経過したが,記憶は薄れることはなく,事故の収束にいまだ大きな努力を必要としている.筆者は東京都日野市においてそれ以前からガイガーカウンタを設置し放射線量を計測し,リアルタイムにホームページに公開していたところ,事故直後日野市にも放射性物質が飛来し,異常データをキャッチした.多くの方がこのホームページを御覧になり,思わぬ反響があった.そのシステムの概要,計測結果を報告し,あわせて災害時における情報公開の在り方について考察する.またその後も計測を続け,長期間の変化をフーリエフィルタで抽出すると,かなり詳細な変化を読み取れることが分かった.更に非線形最小二乗法で分析することにより,従来ガイガーカウンタで不可能とされていた放射性物質 (核種) ごとの放射線量を推定することができることを示す.

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© 2014 一般社団法人 電子情報通信学会
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