バイオフィリア リハビリテーション研究
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国際バイオフィリア リハビリテーション学会(高社研)(2009年-2013年)
中国・日本そして世界各国の高齢社会に対する バイオフィリア リハビリテーション
滝沢 茂男
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2017 年 2017 巻 1 号 p. 80-84

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抄録

 2010年10月29日-11月1日の第8回国際大会は中国リハビリテーション研究センター(CRRC)開催の第5回北京リハビリテーション国際フォーラムと併設で、オーガナイズドセッションとして実施しました。中国にはすでに日本の総人口を超える1億6千万人の60歳以上の高齢者がいます。人口比では12.5%になっています。チャイナネット(華僑向けの国営情報機関:国務報道弁公室発表)に拠れば、「国民の平均寿命は73歳で、建国以来60年の間医療衛生システムが全国に普及し、疫病予防と治療の能力も向上したことによる」、又「障害を持ち自活できない高齢者は960万人に及ぶ」とされています。さらに上海市の高齢者人口比率は2030年にはその人口の40%に達するとされています。

 私の基調講演「中国・日本そして世界各国の高齢社会に対するバイオフィリア リハビリテーション」は、この事実を示した上で「エイジングクライシス Aging Crises」の可能性を述べ、高齢者の自立生活をできる限り維持し、自分で生活することが持続可能な社会確立に必須であると述べました。そして現在のリハ医学の持つ問題点を明示し、その解決に向けた手法の提示、これまでの研究の実績、研究の現状と今後の概要を示しました。すなわち「障害の受容」から「障害の克服」を実現するリハ医学への再構築です。この講演を聴いたCRRC副院長のDong Hao医学博士は講演後の討論で、国際学会への積極参加を聴衆に呼びかけ、これまで本誌でお知らせしてきたタキザワ式リハの推進を表明され、さらには講演が中国へ「手法導入の種をまいた」と述べました。

 中国は孝の国といわれます。大会後の懇親会でCRRCのLi Jianjun院長は私の基調講演の「Aging Crises」をあげ、中国では「老人は国の宝」であり、老人に関する問題は起こりえないと述べました。

 私は「厚生福祉」誌に1998年から寄稿していますが、この研究を1987年に志しました。一人の理解者も無く、家族内に一人目の理解者を得るのに7年を要しました。関連研究の1987年スタート時の日本の国民意識を思い起こさせます。

 創動運動によるタキザワ式リハは効果が高く、効率的です。導入によりインペアメント(解剖学的機能損傷)の克服が可能です。現在では、研究費も10年以上にわたって給付され、その機序解明も遠くないと思われます。そして、この普及実現により高齢者自身が障害を得ても自立を基調とする新たな暮らしをする事ができます。そして、次世代へ過重な負担をかけずに、世界中でAging Crisesを食い止める事ができます。

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