抄録
自律的なリハビリテーション手法を,公的助成を得て研究した.その効果を介護保険認定調査(障害老人の日常生活自立度を含む)に即して,2006年1月と3ヵ月後に評価した.同意を得た対象者は高齢障害者47名(脳血管障害後遺症13名(左片麻痺9名,右片麻痺3名,その他1名),変形性膝関節症8名,腰部脊柱管狭窄症7名など)で,男性15名,女性32名(他脱落2名)であった.参加者に,膝関節屈伸創動運動用下肢訓練器・足関節底屈背屈用下肢訓練器,訓練用おもり及び上肢訓練用運動器を配布した.必要とする参加者のためにソリ付き歩行器と立位保持クッションを準備した.39名が週2~4回の訓練を行っていた.評価では自立度と座位保持の項は有意に向上した(P<0.05).自律運動リハの実施と在宅実施の可能性を明示できたと考察する.