武道学研究
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アメリカ人エリート柔道選手とノンエリート柔道選手の不安度,自信度,性格と競技パフォーマンスの研究
松本 デービット武内 政幸中島 〓飯田 頴男
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2000 年 32 巻 3 号 p. 12-21

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抄録

柔道は世界では最も広く行われているスポーツの一つである.しかし,アメリカでは柔道はバスケットボールやゴルフ,テニスなどの他のスポーツよりポピュラーではない.そのために現代の科学的文献の中には柔道に関する研究は比較的少なく,特に英文での報告は僅少である.
他のスポーツの研究ではストレス,自信,性格という心理的要素は競技のパフォーマンスを予測するにはとても重要であることが報告されている.そして,この情報によってスポーツ選手のパフォーマンスを上達させることに役立っている.したがって,柔道選手の為にもこのような研究は重要であると思われる.
本研究はアメリカ人エリート柔道選手とノンエリート柔道選手について,競技前に不安と自信について調査を行い,不安,自信,性格などが柔道選手のパフォーマンスとどのような相関が見られるかについて研究したものである。またエリート柔道選手については性格テストも実施し,競技パフォーマンスのデータも調査した.
その結果次の知見が得られた.
1.エリート柔道選手はノンエリート柔道選手より自信度が高かった.
2.エリート柔道選手とノンエリート柔道選手間にはいくつかの心理的変数がパフォーマンスを予測し,不安度は自信度と負の相関が見られた.
3.これらの結果は柔道選手の指導に応用が可能と思われる.

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