2019 年 2019 巻 28 号 p. L67-L78
サンスクリット写本(NGMPP B31/6 = NAK7/5)は、複数のインド後期密教テクスト、おそらく自加持を主題とした典籍を中心に収録しており、未同定のものもいくつか含まれている。就中、最初の十八偈ほど回収されるテクストは、その第六偈が他典籍(Amṛtakaṇikā, Paramārthasaṃgraha, etc.)においてĀryadevaに記されていることから、密教のĀryadevaの新たな著作であると考えられる。本稿では、最初の十八偈ほどと断片ではあるが、この著作の校訂テクストおよびその註を提出した。