佛教文化学会紀要
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論文
『毘沙門天王経』並びに『金光明最勝王経』の構造と内容について(2)
石井 正稔
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2019 年 2019 巻 28 号 p. L79-L103

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抄録
 『毘沙門天王経』は、不空三蔵によって漢訳された経典である。この経典は、義浄訳の『金光明最勝王経』中「四天王護国品」の内容と一部、対応箇所がみられる。
 前稿において、これら両経典の対応箇所について取り上げ、構造部分を対比し考察をおこなった。
 本稿では、前回ふれられなかった、両経典の内容の部分について比較検証した。既に両経典がほぼ対応関係にあることは指摘しているが、改めて『毘沙門天王経』は、「四天王護国品」よりも内容が整理され、手法などが詳細に説かれている。
 そして、「四天王護国品」では、あくまで多聞天の持つ如意宝珠陀羅尼とその功徳を説く内容となっているが、『毘沙門天王経』では毘沙門天の心真言つまり毘沙門天自身とその功徳を説いている経典といえよう。
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