地質調査研究報告
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論文
有珠火山2000年噴火の降灰と火口近傍の状況
宝田晋治吉本充宏北川 淳一平賀 正人山元 孝広川辺 禎久高田 亮中野 俊星住 英夫宮城 磯治西村 裕一三浦 大助廣瀬 亘石丸 聡垣原康之遠藤 祐司八幡正弘野呂田 晋新井田 清信石塚 吉浩工藤 崇相沢 幸治本間 宏樹江草 匡倫石井 英一高橋 良
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2001 年 52 巻 4-5 号 p. 167-179

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抄録
有珠火山2000年噴火で初期に発生した4つの噴火の降灰分布図を作成した.また,定面積試料を採取し,等重量線図を作成した上で降灰量を算出した.一連の噴火の中で 最大規模であった3月31日13時7分~16時頃の噴火による降灰分布は, N65°E~ N30°Eの方向が主軸であり,火口から50km以上遠方まで追跡できた.降灰量は124,000トンとなった.4月1日12時~4月2日12時の間の噴火による降灰分布は, N145°Eの方向が主軸であり,火口から25km以上遠方まで追跡できた.降灰量は21,000トンとなった.4月2日14時~14時10分の小噴火による降灰は,N110°Eの方向が主軸であった.降灰量は450トンとなった.4月4日16時~18時の降灰は主軸がN10°W ~ N8°Eの方向であり,火口から30km以上遠方まで追跡できた.降灰量は49,000トンとな った.また,西山西麓の噴出口近くで3月31日の噴出物の記載を行った.西山西麓のN-B火口と金比羅山北西麓のK-B火口の水蒸気爆発の状況,周囲の堆積物の状況を記載 した.さらに,洞爺湖温泉街などで堆積物の記載を行った.
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© 2001 産業技術総合研究所 地質調査総合センター
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