産業技術総合研究所地質調査総合センターでは,日本全国をカバーする 20 万分の 1 の重力基本図を編集中である.筆者らは,鹿児島地域において,既存の重力測定データと新規測定データの合計 15,877 点を編集して,重力基本図を作成した.更に,重力データを用いて地殻表層密度分布の推定を行うことにより,地質調査だけでは明らかにできない伏在する地質構造を推定できると共に,地質分布の違いの影響を取り除いたブーゲー異常図から,臼杵‐八代構造線に対応する重力異常のリニアメントと鹿児島地溝・カルデラ群に対応する低重力異常が明らかになった.