地質調査研究報告
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論文
仙台平野南西部に露出する中部中新統‐鮮新統の年代データ:奥羽脊梁山地の隆起と関連して
Osamu FujiwaraYukio YanagisawaToshiaki IrizukiMasanori ShimamotoHiroki HayashiTohru DanharaKeisuke FuseHideki Iwano
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2009 年 59 巻 7-8 号 p. 423-438

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抄録

 仙台平野南西部の3つの地質セクションから得られた中部中新統‐鮮新統の年代層序データを報告する.ここで報告する27 個のFT年代測定値と浮遊性有孔虫化石および珪藻化石の分析結果は,調査地域周辺のテクトニックな変動の復元に貢献する.名取川下流の河床に露出する旗立層は地質年代として,ほぼ13 Ma から11.5 Ma に相当する.綱木層はほぼ10 Maから8.3 Maの期間に堆積した地層であり,梨野層下部は6.4 Ma頃に堆積した.年代と層相のデータを総合すると,この中部中新統‐鮮新統には4つの比較的大きな不整合が認められる.それらは9 Ma頃,6.4 Ma頃,最後期中新世,および3.5 Ma頃である.最も古い不整合は本研究で新たに見出された.これらの不整合の形成時期は,Nakajima et al.(2006)が復元した奥羽脊梁山地の段階的な隆起の歴史と良く対応する.本研究で示したデータは,東北本州弧の隆起時期のより詳しい推定を可能にする.

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© 2009 産業技術総合研究所 地質調査総合センター
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