2012 年 63 巻 11-12 号 p. 283-289
伊豆大島火山新期大島層群のいくつかの部層について,加速器質量分析法による14C年代測定を行った.山頂カルデラを形成したと形成したと考えられているS2期年代は1780±50yBPの年代値を示し,これまで考えられていたより200年から300年古い年代値を示した.N4期も同様に200年から100年ほど古い値を示す.それより新しいN1期,Y6期,Y5期,Y4期,Y2期は,これまでの推定年代,歴史噴火記録と整合的な値が得られた.S2期,N4期の年代がより古くなったために,S期からN期にかけてのテフラ噴出量から見たマグマ噴出率は,これまでの推定より小さくなった.それでもY期噴出率の約2倍の噴出率である.