放送研究と調査
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幼児のテレビ視聴,録画番組・DVD,インターネット動画の利用状況
2021年「幼児視聴率調査」から
行木 麻衣築比地 真理
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2021 年 71 巻 12 号 p. 46-64

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抄録

2021年に実施した「幼児視聴率調査」の結果から、幼児のテレビ視聴と録画番組・DVD、インターネット動画の利用状況を報告する。調査は、東京30キロ圏に住む2~6歳の幼児1,000人を調査相手として、6月28日(月)~7月4日(日)の1週間で実施した。 幼児が1日にテレビを見る時間(リアルタイム視聴)は57分、録画番組・DVD(タイムシフト視聴)は19分、インターネット動画は33分だった(いずれも週平均)。平日30分ごとの視聴率(利用率)をみると、2019年と比べてテレビ総計(リアルタイム視聴)は午前8時~8時30分で減少。一方、インターネット動画は午前8時~8時30分、午後4時~5時30分、6時~8時30分で増加し、インターネット動画の存在感が増している。 高位番組をみると、テレビは、上位10番組がすべてEテレの幼児・子ども向け番組であった。録画番組でよく見られているコンテンツは「それいけ!アンパンマン」などリアルタイムで高位に挙がらない番組、インターネット動画ではYouTubeオリジナルコンテンツだけでなく、「ポケットモンスター」などのテレビ関連のコンテンツも視聴されていた。 保護者の意識では、テレビに比べてインターネット動画を否定的に捉えている傾向がうかがえる。一方、2019年と比べると、動画は否定的な意識が減少し、肯定的な意識が増加する傾向がみられた。 保育園児と幼稚園児で平日の視聴状況を比べると、生活時間の違いから、テレビ視聴やインターネット動画の視聴率や視聴時間などに違いがみられた。

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© 2021 NHK放送文化研究所
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