放送研究と調査
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最新号
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  • 「2025年全国放送サービス接触動向調査」の結果から
    保髙 隆之, 伊藤 文, 山下 寛生
    2026 年76 巻1-2 号 p. 2-29
    発行日: 2026/01/01
    公開日: 2026/01/20
    研究報告書・技術報告書 フリー
    「全国放送サービス接触動向調査」は、テレビ・ラジオ放送に加え、録画再生、放送局が提供するインターネット動画やSNS、ホームページなど、多種多様なコンテンツ・サービスに、1週間に1日でも接触した人の割合“リーチ”を測定する世論調査で、NHK放送文化研究所が継続的に実施してきた。本稿では2025年の調査結果を、前回(2024年)、前々回(2022年)の結果との比較を中心に報告する。

    放送局が提供するコンテンツやサービスへのリーチを「リアルタイム(放送経由)」「タイムシフト」「インターネット(通信経由)」の3つに分類すると、2025年のリアルタイム接触は85.8%、タイムシフトは47.1%、インターネットは41.4%で、いずれかに接触したトータルリーチは91.3%だった。録画再生のリーチは減少傾向にあり、特に30~50代で民放の減少が顕著だった。一方、TVerやNHKプラスなどの無料動画サービスの利用が増加し、インターネット接触が広がっている。50代では録画再生からインターネット動画へのシフトが進み、テレビ画面でのインターネット動画の視聴も増加した。

    また、放送局への信頼度は全体では接触日数と比例するが、若年層では信頼が接触に直結しない傾向がみられた。視聴スタイルの変化は、放送と通信の境界を曖昧にしつつある。
  • 2025年「日本語のゆれに関する調査」から(1)
    塩田 雄大
    2026 年76 巻1-2 号 p. 30-59
    発行日: 2026/01/01
    公開日: 2026/01/20
    研究報告書・技術報告書 フリー
    日本語の現況を把握するために毎年おこなっている「日本語のゆれに関する調査」の結果について、2回にわたり報告する。

    【新興の表現・用法について】
    ▼「軽率に(連絡してください)」「(アルバイトを)飛ぶ」「一生(スマホをいじっている)」「久しく(会った)」の4項目の新興用法に関しては、「おかしい・自分では使わない」が全体として過半数である。一方、「シンプルに(うれしい)」は「おかしくない・自分でも使う」という回答が最も多い。

    「飛ぶ」「一生」の新興用法の容認・使用の度合いは、20代において特に突出して高かった。

    【文法関連について】
    ▼「(病気で)床に〔伏せって〕いる」よりも「(病気で)床に〔伏せて〕いる」という言い方を支持する人のほうが多かった。

    ▼「動詞+〔にくい/づらい〕」に関して、非意図的動作の場合には「~づらい」となりにくいとされているが、「わかり〔にくい/づらい〕」「見え〔にくい/づらい〕」では「~づらい」も比較的よく受け入れられていた。

    ▼「(~を)回転させる」「(~を)減少させる」はそれぞれ「(~を)回転する」「(~を)減少する」よりも支持されているのに対して、「(~を)増加させる」と「(~を)増加する」との間では支持率にほとんど差がなかった。

    ▼「ら抜きことば」に関して、「着れない」「食べれない」を「使う」という人は4分の3にのぼっていた。一方、この2項目に関して、「かしこまった場面で使ってもかまわない」とする人は必ずしも多くなく、「ら抜きことば」の場面による使い分け(ふだん自分で使うけれども、かしこまった場面では使用を控える)がかなりなされていることが想定される。

    【「させていただく」関連について】
    ▼「ネギを〔a.入れさせていただいても/b.お入れしても〕よろしいですか」に関して、30代から70代の間では、「させていただく」を用いた表現である〔a.入れさせていただいても〕への支持が年代が上がるにつれて多くなり、基本的な謙譲表現である〔b.お入れしても〕への支持が少なくなるという傾向が見られた。
  • 放送の公益性と財源問題
    村上 聖一
    2026 年76 巻1-2 号 p. 60-77
    発行日: 2026/01/01
    公開日: 2026/01/20
    研究報告書・技術報告書 フリー
    本シリーズでは、放送開始から100年を迎えたのを契機に、新たに見いだされた史料も参照しつつ放送の歴史を多角的に検証する。第1回は、戦前のラジオ課税と公納金をめぐる議論に焦点を当てる。

    戦前、ラジオに関しては、少数の富裕層を対象にした贅沢(ぜいたく)品との見方から、聴取者に課税しようとする動きが現れた。このうち、1925年に茨城県で起きたラジオ課税論議では、社団法人東京放送局が逓信省や東京などの新聞社と連携しながら課税反対運動を展開し、ラジオが教育目的でも利用される点など、その公益性を強調した。そして運動の盛り上がりを背景に、茨城県当局のラジオ課税案は議会で否決され、問題はいったん収束した。

    しかし、昭和恐慌を経て地方財政が悪化する中、道府県では再びラジオに課税しようとする動きが現れ、1931年、北海道で初めて課税案が可決された。このときも日本放送協会は逓信省とともに課税阻止を図ったが、ニュース報道の競合が生じる中で新聞社との連携は見られず、世論に訴える形での論議もなされなかった。対応を迫られた日本放送協会は、内務省の提案に応じる形で1932年度から聴取料収入の約12分の1を公納金として各道府県に納めることで課税を回避し、問題を決着させた。公納金はその後、聴取料収入と比例して増え、終戦後まで十数年にわたって継続された。

    戦前、公納金が導入された背景には、放送制度上、聴取料の位置づけが曖昧で、その使途に関する明確な制約が存在しなかった点があった。また、決着の過程では、放送の公益性と財源に関する議論が十分になされないまま、事態の早期収拾が図られた面があった。
  • 日本電波ニュース社(NDN)の北ベトナム取材フィルム
    朱 子奇, グエン・ ヴィエット・ティエップ, 大髙 崇, 秋元 宏美
    2026 年76 巻1-2 号 p. 78-97
    発行日: 2026/01/01
    公開日: 2026/01/20
    研究報告書・技術報告書 フリー
    ベトナム戦争の終結から半世紀が経過した。初めて「テレビのもとで進められた戦争」として知られるベトナム戦争の報道については、日本では海外に比べテレビ番組のアーカイブの整備と公開が十分に進んでいないこともあり、その研究蓄積はいまだ浅い。2024年度から始まったNHKアーカイブス学術利用(NHK連携型研究)により、これまで以上にNHKアーカイブスに保存されている映像を活用できるようになり、従来にはなかった側面からベトナム戦争報道を検証する可能性が開かれた。本研究は、このNHK連携型研究として、ベトナム戦争中に北ベトナムが日本のテレビ・メディアによっていかに取材され、報道されたのかを、NHKアーカイブスに保存されている映像を用いて2回シリーズで検討するものである。シリーズ第1回となる本稿では、ベトナム戦争中、西側の映像メディアとして唯一ハノイに支局を設け、戦時下の北ベトナムを取材した日本電波ニュース社が撮影し、NHKに配信したフィルム映像を中心に、同社が北ベトナムの何を捉え、どのように伝えようとしたのかを明らかにする。
  • 民間放送の誕生
    福田 葉月
    2026 年76 巻1-2 号 p. 98-99
    発行日: 2026/01/01
    公開日: 2026/01/20
    研究報告書・技術報告書 フリー
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