抄録
絶滅危惧植物に関する情報ネットワークを構築するためには,各地方で発行されるレッドデータブックの間に,ある程度の互換性が必要である.そこで,基礎情報が不足している場合でもそれを何とか補って絶滅リスクを評価できる手法の一例として愛知県で用いた方法を紹介するとともに,レッドデータブックの信頼性と互換性を確保するための目安として,以下のチェック項目を提案した. 1 基本的にIUCNの新カテゴリーを用いている. 2 評価結果について説明を求められた時に対応ができる. 3 VU以上のリスト掲載種が本来の自生植物の2割程度である. 4 CR種はEX/EW種の2倍程度である. 5 評価結果に上位リストと比較して逆転現象がある場合,それについて説明がされている.