植物分類,地理
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リソネソウ連の花序
福岡 誠行
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1969 年 23 巻 5-6 号 p. 153-162

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抄録
ある群の系統を考えるさい,各形質についての形態学的な研究がなされねばならない.このような立場からリンネソウ連の花序について調べた.その要約はすでに述べた(植物分類地理 23 ; 83-84)ので,ここでは日本産ツクバネウツギ属の花序について記す.本邦産ツクバネウツギはすべて頭状花序である.そのうちツクバネウツギとメツクバネウツギの頭状花序は2花から,コツクバネウツギは2〜8花の偶数個からなっている.それぞれの子房の基部は苞によって囲まれている.図2はこの関係を図示したものである.子房基部の苞の数と花の咲く順序からこれらの頭状花序の由来を推測すると,A'〜I' に示したような花序から各節間の短縮消失した結果できたものと考えられる.しかし,この推論は発生上からも今後確かめる必要がある.
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© 1969 日本植物分類学会
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