植物分類,地理
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中国海南島産ミズアオイ属の新種
汪 光煕永益 英敏
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1994 年 45 巻 1 号 p. 41-44

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抄録

ミズアオイ科のミズアオイ属はアジア, アフリカ及びオーストラリアに分布し, 特に東アジアと東南アジアに多い。ここに記載した新種Monochoria validaは中国の海南島で発見されたものである。Monochoria validaはM.elata N.H.Ridleyに類似する。しかし, 前者は, 葉身は広い矢尻形で, 20-35×10-15cm, 基部の裂片の長さが7-11cmで, 下仏焔苞の葉身は12-28×4-10cmであり, 花序の有花部分の長さは10-20cm, 花序あたりの花数は50-110個と多く, 花茎の長さは110-200cmであるのに対して, 後者は, 葉身は細く, 細い矛形あるいは細い矢尻形で, 15-30×0.8-2.5cm, 基部の裂片の長さが約2cm, 下仏焔苞の葉身は8-15×0.8-2.0cmであり, 花序の有花部分の長さは10-15cm, 花序あたりの花数は15-40個で, 花茎の長さは90-160cmである。Monochoria validaはM.hastata(L.)Solms-Laubachにもよく似ている。しかし, 前者は, 総状花序をもち, 草高が130-210cmと高いのに対して, 後者は亜散形花序をもち, 草高が130cm以内であり, さらに, 葉身は広い矛形で, 10-19×8-12cm, 基部の裂片の長さが2-5cmで, 下仏焔苞の葉身は10-18×6-10cmであり, 花序の有花部分の長さは4-6cm, 花序あたりの花数は30-50個, 花茎の長さは45-60cmである。

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© 1994 日本植物分類学会
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