植物分類,地理
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新熱帯産キワタ科3属の細胞学的研究
荻沼 一男WILLIAM S. ALVERSONDAVID A. BAUM
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2000 年 50 巻 2 号 p. 173-178

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抄録

熱帯アメリカに自生するキワタ科3属3種について,根端分裂細胞を用いて調べた体細胞染色体数を報告する。調べた3属3種の染色体数はすべて初めての報告である。染色体数は以下の通りである。Gyranthera caribensis(キワタ亜科分岐群)は2n=96,Quararibea aurantiocalyx(アオイ亜科分岐群)は2n=88,"Spirotheca" rosea(キワ夕亜科分岐群)は2n=88の染色体数をもつことが明らかとなった。また,今回の染色体の観察から,従来の分類システムのキワタ科の染色体数は一般的に2n=86から2n=92の範囲にあるとするBaum and Oginuma(1994)の提唱を基本的に支持できた。

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© 2000 日本植物分類学会
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