2000 年 49 巻 8 号 p. 611-617
超大規模集積回路(ULSI)の信頼性などに悪影響を及ぼす有機材料(レジスト,ポリイミド等)中の微量不純物の管理分析にIC法による陰イオン分析法を適用した。また,含有不純物の総量及び腐食評価に有効な方法として,陰イオン性不純物を分別測定できる試料前処理法を検討した。陰イオン性不純物の総含有量の定量にはアルカリ融解法,表面及び材料内部のイオン性不純物の定量には熱水加圧抽出法,残留フラックスなどからの選択抽出にはアセトン抽出法,レジスト,オイルなどの液体試料にはトリクロロメタン-水抽出法を検討した。更に,IC測定では,試料溶液中のマトリックスの影響を少なくするため,アルカリイオンを除去する方法を検討した。以上の検討により,ppbレベルのULSI用の各種有機材料中の微量陰イオン性不純物を定量分析できた。