抄録
環境分析技術協議会では有害大気汚染物質に係る優先取組物質であるベンゾ [a] ピレンについてHPLC及びGC/MSを用いた分析法の精度について共同実験を行った. 試料としてはHPLC用及びGC/MS用にそれぞれ2種類と底質試料の抽出液の1種類を合わせて各3種類の溶液試料, 更に石英濾紙に添加された濾紙試料として2種類の合わせて5種類を使用した. 濾紙試料は有害大気汚染物質測定法マニュアル (1999年3月) に従って前処理を行い, 分析した. HPLCでは棄却データを除けばほとんどの機関の相対標準偏差は1~5%の範囲に入っていた. GC/MSでは分析感度に関してはHPLCよりも少し劣っており, 分析精度についてもシリンジスパイクを添加しているにもかかわらず, HPLCよりも少し劣っていた. また, GC/MSではベンゾ [e] ピレン及びペリレンについても検討した.