2001 年 50 巻 12 号 p. 873-878
非破壊分析法である蛍光X線分析法 (XRF) 及びX線回折法 (XRD) により迅速簡便に測定し, 得られたデータを統計的な手法であるクラスター分析法 (CA) 及び主成分分析法 (PCA) に適用して試料の分類を行った. 検討した試料は, 表面が黄土色系で裏面がほぼ白色の比較的色調の類似したテープ14社43試料である. XRFとXRDのデータを合わせた解析からは, 43試料が5グループに分類された. 各グループを製造メーカーに着目してみると, おおよそメーカーごとに分類がされており, CAとPCAに外観的な特徴を加えれば, 試料を破壊せずにメーカーの特定に使用できる可能性が示された. したがって, 凶悪犯罪等に使用される粘着テープの異同識別に有効であると考えられる.