2002 年 51 巻 3 号 p. 141-146
界面活性剤であるα-スルホ脂肪酸メチルエステルの組成分析をHPLC及びCE法にて検討した. HPLC法では, 逆相モード, 陰イオン交換モード, イオンクロマトグラフモードを用いることにより分析できることが分かった. CE法では, 泳動液に30%のアセトニトリルを含む10mMナフタレンスルホン酸を用いることによりα-SF・Naとα-SF・2Naを分離・定量でき, 陽イオン界面活性剤を含む5mMクロム酸緩衝液を用いることによりメチル硫酸ナトリウムと硫酸ナトリウムとを分離・定量できる条件を見いだした. 同一の試料をHPLC法及びCE法で分析したところ定量値はほぼ一致し, 再現性も同等 (相対標準偏差は0.5~8.6%) であった. CE法は, 自動化された装置を用いれば全成分を30分以内に分離・定量でき, 工程管理にも適用できる迅速・簡便な方法であると考えられる.