分析化学
Print ISSN : 0525-1931
報文
ガスクロマトグラフィー/質量分析法による胆汁酸生合成中間体の定量法の開発
村井 毅山口 佳奈吉村 昭毅惠 淑萍黒澤 隆夫
著者情報
ジャーナル フリー

2002 年 51 巻 6 号 p. 443-448

詳細
抄録

モノヒドロキシ胆汁酸 (3α-hydroxy-5β-cholan-24-oic acid及び3β-hydroxy-5-cholen-24-oic acid) は胆汁うっ滞を誘起する原因物質の一つであり, これらの新規生成経路の存在が推測されている. また, 胆汁酸生合成機構の一つとして, 25位水酸化による側鎖切断反応が知られている. 上記胆汁酸の生成機構と本経路の関連を検討することを目的として, 生合成中間体と推測される各種胆汁アルコール, ヒドロキシコレステロール及び上記胆汁酸のGC/MSによる一斉分析法の開発を行った. 各種中間体標品をトリメチルシリルエーテル誘導体とした後, 高分解能選択イオンモニタリング (SIM) 法により分析を行った. 得られた検量線はいずれも10~250pmolの範囲で良好な直線性を示した. 検出限界は50~100fmolであった. 逆相系固相抽出法を用いる前処理のみで生体由来の妨害ピークは認められなかった. 本分析法は各種生体試料中の上記中間体及び胆汁酸の分析法として適用可能であることが明らかとなった.

著者関連情報
© The Japan Society for Analytical Chemistry 2002
前の記事 次の記事
feedback
Top