分析化学
Print ISSN : 0525-1931
総合論文
フェムト秒レーザーを用いる各種パルスX線発生法と時間分解X線分析への応用の可能性
畑中 耕治三浦 聡文尾高 英穂小野 博司福村 裕史
著者情報
ジャーナル フリー

2003 年 52 巻 6 号 p. 373-381

詳細
抄録

フェムト秒レーザーを用いた3種類のパルスX線発生法について紹介する.光励起型X線管にフェムト秒レーザーパルスを照射させることによって発生したパルスX線の発光スペクトルは従来のX線管の場合と同様であり,パルス幅については計算からおよそ20 psに延びることが明らかとなった.電解質水溶液ジェットにフェムト秒レーザーパルスを集光照射した場合,最高で40 keVに及ぶ高エネルギーX線が発生し,スペクトル形状は励起光強度,溶質濃度,溶質の原子番号に依存して変化することが明らかとなった.またダブルパルスで励起することにより,X線発光強度の増加も観測された.カセットテープにフェムト秒レーザーパルスを集光照射した場合,鉄に由来する特性X線が特徴的に観測された.またX線回折計を自作し,LiF(200)分光結晶からのX線回折画像を撮影した.

著者関連情報
© The Japan Society for Analytical Chemistry 2003
次の記事
feedback
Top