2003 年 52 巻 6 号 p. 475-480
半導体次世代Cu配線用材料の一つである窒化タンタル膜(TaN)の組成評価法を,湿式試料溶解法を用いて検討した.試料をHFとHClで180℃,2時間加圧分解後,Taは誘導結合プラズマ発光分析法,Nはネスラー吸光光度法により定量し,同一溶液からの定量が可能となった.また,確立した溶解法で値付けした試料を蛍光X線分析法の標準試料へと適用し,化学分析値との誤差1% 以内で高精度に,且つ迅速(化学分析法の1/20以下)に定量可能となった.本方法を実試料へ展開した結果,ウェハー面内での組成変動が明らかとなり,工程評価法として適用可能であることを示した.