2008 年 57 巻 4 号 p. 227-237
超音速分子ジェット共鳴多光子イオン化質量分析法を基本とする環境負荷物質のリアルタイム分析装置を開発し,実焼却炉煙道中の環境負荷物質のリアルタイムモニタリングを行った.ダイオキシン類の生成前駆体の一つであるモノクロロベンゼンの検出下限は12 pptを達成し,非常に高い時間分解能で得ることができることを確かめた.また,分析結果より,モノクロロベンゼンは煙道内で2つの異なる発生機構で放出されることが分かった.また,フェノールやm-ジクロロベンゼンとの放出挙動の比較から,芳香族のOH化と塩素化は異なる機構で起こるものと考察した.