分析化学
Print ISSN : 0525-1931
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2-ピリジンアルドキシム含有イオン液体を用いるニッケル(II)の抽出
小坂 健吾野呂 純二渡辺 雄二郎小松 優
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2008 年 57 巻 8 号 p. 593-597

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抄録

0.1 mol dm-3の2-ピリジンアルドキシム(2-PA)を含むイオン液体(1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート)を用いて,酢酸アンモニウムを含む水相中からCd2+,Ni2+,Zn2+の抽出を試みた.その結果,Ni2+とCd2+を定量的に抽出することができた.また,その抽出能はpH 0.5∼8.0の領域においてNi2+≫Cd2+>Zn2+の順であった.Ni2+の抽出機構をlog D vs. pHとlog D vs. log [2-PA]の相関から解析した結果,Ni2+と2-PAが1対2で反応し,Ni-2-PA錯体カチオンを形成し,イオン液体中の1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムイオンとの陽イオン交換反応によりイオン液体相に抽出されているとの結論を得た.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry 2008
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