分析化学
Print ISSN : 0525-1931
技術論文
ISO 24293 : 2009に基づく水試料中ノニルフェノール異性体分析の試験所間試験
堀井 勇一谷保 佐知土屋 悦輝中川 順一高菅 卓三山下 信義宮崎 章
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2010 年 59 巻 4 号 p. 319-327

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抄録

ISO 24293 : 2009は,固相抽出とガスクロマトグラフィー/質量分析(GC/MS)を用いて水試料中ノニルフェノール異性体を個別に測定する新規制定の国際標準分析法である.本報ではISO 24293 : 2009の妥当性評価のために行われた試験所間試験の結果を報告する.当試験には国内外17機関が参加し,ノニルフェノール低濃度添加河川水(RW1),高濃度添加河川水(RW2),低濃度添加排水(WW3)及び高濃度添加排水(WW4)の4試料について測定した.各機関におけるノニルフェノール異性体13物質の室内変動係数は4.4%~21.6% の範囲であった.試料ごとの室間変動係数はRW1 : 24.9 ± 6.4%,RW2 : 30.6 ± 10.7%,WW3 : 63.3 ± 34.6%,WW4 : 36.6 ± 13.5% であった.ロバスト法zスコアにより試験機関を評価したところ,各試料における機関数の割合は,satisfactoryが71~92%,questionableが0~10%,unsatisfactoryが7.7~23% の範囲であった.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry 2010
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