分析化学
Print ISSN : 0525-1931
総合論文
試料水平型X線反射率計の高度化と液体表面の構造解析
矢野 陽子宇留賀 朋哉谷田 肇豊川 秀訓寺田 靖子山田 廣成
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2010 年 59 巻 6 号 p. 437-445

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抄録

X線反射率法は,界面深さ方向の電子密度分布をサブナノメータオーダーの分解能で得る構造解析手法である.これまで我が国の放射光施設には,試料水平型の反射率計がなかったが,最近SPring-8の分光分析ビームラインBL37XUに溶液界面の構造研究を目的とした装置が立ち上がった.本装置は従来の装置では実現の難しかった迅速測定や,鏡面反射とその周囲の微弱な散漫散乱強度から界面に垂直及び水平方向の構造を同時に観測するといった特徴を備えている.本装置を用いたイオン液体水溶液表面の構造解析及び時分割測定によるタンパク質の気液界面吸着過程について紹介する.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry 2010
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