分析化学
Print ISSN : 0525-1931
総合論文
材料科学・工学におけるバイオフィルム分析とその重要性
兼松 秀行田中 美穂
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 63 巻 7 号 p. 569-580

詳細
抄録

バイオフィルムは細菌によって各種工業材料表面上に形成され,バイオファウリングと呼ばれる生物の付着による材料へのダメージあるいは機能を向上させる.そのかかわり方は様々であるが,本稿ではバイオフィルムを材料とのかかわりという観点から説明し,各種材料科学・工学への諸問題を挙げて,バイオフィルムとのかかわりをまず説明した.その後従来のバイオフィルムの分析技術として代表的ないくつかの例を挙げ,これまでの浮遊細菌の分析技術との違いと特徴を明確にした.そして,材料科学・工学的な観点からの分析技術,特に可視化に重点を置いて著者らの試みをいくつか挙げて,将来への可能性について言及した.本稿は次の構成からなる.1 緒言,2 バイオフィルムの形成と金属元素,3 バイオフィルムが関与する材料科学・工学の諸問題,4 生物学的な観点からのバイオフィルム分析技術,5 材料科学・工学的な観点からの可視化分析技術,6 結言.

著者関連情報
© The Japan Society for Analytical Chemistry 2014
前の記事 次の記事
feedback
Top