2019 年 68 巻 7 号 p. 491-496
比色法を用いた水質調査をより簡便にするために,スマートフォンなどのスマートデバイスのアプリケーションを含めた人工知能による濃度判定を行うシステム開発を行った.色の同定,濃度算出に人工知能技術を利用することで,外光などを遮断するための冶具と色彩—濃度検量線の作成を不要とした.また,個々のスマートデバイス上で濃度測定を行うのではなく,ネットワーク上に構築した人工知能サーバによって濃度判定を行うこととした.このことで個々のデバイスにインストールされるアプリケーションの機能を最小限とし機種依存性を極力排除することを試みた.さらに観測位置情報も同時に取得・保存することで,広域環境調査に有効な水質測定システムになりうる可能性を示した.