分析化学
Print ISSN : 0525-1931
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ジャングルジム型構造体を抗体固定化媒体とする簡易ELISAシステムの開発
熊谷 直也森岡 和大中村 好花千明 大悟北谷 菜津美加藤 祐史東海林 敦
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2021 年 70 巻 12 号 p. 721-728

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抄録

市販の1 cm角キュベットを試料セルとして用いる小型蛍光光度計の性能をレゾルフィンで評価した.検出限界(3σ)は2.4 × 102 pMであり,相対標準偏差(RSD, n=3)が2.1% を下回ることから,小型の計測装置であるにもかかわらず,高感度かつ高精度に測定できることがわかった.医療の現場で実用的にバイオマーカーを計測できるように,C反応性タンパク(CRP)をバイオマーカーのモデルとし,比表面積の大きなジャングルジム構造体(JGS)を利用するELISA法を開発した.JGS壁面に多量のCRP分子を捕捉させることで,効率よく酵素反応を進行させることが本法の特徴である.本法におけるCRPの検出限界(3σ)及びRSD(n=3)は,50 pg mL−1及び8.5〜17% と見積もられ,本法が蛍光マイクロプレートリーダーを用いるELISA法と同等の性能を有することがわかった.本法は,小型装置を用いて,簡易な操作で感度の高いELISAを実施できることから,中小規模の医療施設での様々なバイオマーカー計測への応用が期待される.

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© 2021 The Japan Society for Analytical Chemistry
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