分析化学
Print ISSN : 0525-1931
アナリティカルレポート
候補標準物質を用いる中鎖塩素化パラフィン分析法の比較研究
羽成 修康中野 武
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2024 年 73 巻 4.5 号 p. 213-218

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抄録

近年注目されている塩素化パラフィンのなかでも,中鎖塩素化パラフィン(MCCP)に関する分析法の比較研究を実施した.MCCP分析法の比較が簡便となるよう炭素数14〜17のアルカンを一定量ずつ混合した後,塩素の導入により調製したMCCP合成品を分析試料とした.別途,同族体組成比を明示した共通の定量用標品も準備し,19の参加機関と共同分析を行った.参加機関は,液体クロマトグラフィー質量分析法,ガスクロマトグラフィー質量分析法や加熱脱離質量分析法を用いてMCCP分析結果を報告した.結果として,MCCP総量は0.34 g g−1〜1.34 g g−1と報告され,全参加機関の変動係数は42% であった.定量用標品中のMCCP存在比が低炭素数に偏っていたが,幾つかの分析法の傾向を把握できただけでなく,標準物質の候補品(本分析試料)中のMCCP同族体組成も評価できた.この活動の継続により,さらなるMCCP分析法の課題解決が期待できる.

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© 2024 The Japan Society for Analytical Chemistry
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