分析化学
Print ISSN : 0525-1931
液状陰イオン交換体によるアルミニウム合金中の亜鉛の分離および定量
石橋 勝小巻 仁
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1962 年 11 巻 1 号 p. 43-47

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抄録
液状陰イオン交換体(高分子量アミン)をもちいて,アルミニウム合金中の亜鉛の迅速定量法を検討した.塩酸酸性溶液中の亜鉛を高分子量アミンで抽出する時,銅,鉄も少量抽出される.鉄はEBT指示薬をもちいて,EDTA溶液で亜鉛を滴定する際,妨害するので,試料を塩酸と過酸化水素で溶解したのち,メチルイソブチルケトンで抽出除去した.鉄を除去した溶液から高分子量アミンで亜鉛を抽出し,0.3N硝酸でストリップしたのち,トリエタノールアミン,シアン化カリウムで銅,亜鉛および微量のアルミニウムをいんぺいし,亜鉛のみホルマリンで破へいし,EBTを指示薬として,EDTA溶液で滴定する.
JIS法と比較したが,ほとんど差異はなく,分析所要時間も20~30分程度であった.
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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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