1970 年 19 巻 7 号 p. 907-918
走査型電子顕微鏡を用いて,数種の市販けいそう土担体および充てん剤の表面構造を調べ,担体および充てん剤の表面構造が実際のガスクロマトグラフィー的挙動とどのような関連にあるか検討した.6種のけいそう土担体は表面構造的にCelite 545, Chromosorb W グループ, C-22, Chromosorb P グループ,およびAnakrom U, Gas Chrom S グループに分類された.それら担体はガスクロマトグラフィー的挙動において,分離性能的分類および保持時間的分類においてほぼ表面構造的分類と近似した結果を得,担体の構造とガスクロマトグラフィー挙動になんらかの相関関係があることを認めた.酸前処理操作は担体の表面構造的には変化を与えないことがわかった.担体に対する液相の付着状態はコーティング方法によって特徴のあるパターンを示すが,高液相領域では,ガスクロマトグラフィー的挙動に目だった差異を認めがたかったが,なんらかの関連があることがわかった.