分析化学
Print ISSN : 0525-1931
二層二次元薄層クロマトグラフィーによるフタロジニトリルとその代謝関連物質の分離
松下 秀鶴嵐谷 奎一
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1971 年 20 巻 1 号 p. 78-83

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抄録

二層二次元薄層クロマトグラフィーにより,フタロジニトリルとその代謝関連物質を分離する条件を調べた.吸着剤や展開剤の選定,移動速度の調整などを検討した.
薄層プレートは(a)下部をくし状に削ったシリカゲル層の両側にアセチル化セルロース層をもつもの,または(b)シリカゲル-微結晶セルロース(1:1,w/w)層の両側にアセチル化セルロース層を有するものを用いる.110℃,1時間加熱活性し,試料をシリカゲルまたはシリカゲル-微結晶セルロース層上に塗布する.そしてシリカゲル層またはシリカゲル-微結晶セルロース層上,四塩化炭素-酢酸エチル-酢酸(7:2:0.5,v/v)を用いて一次元展開を行なったのち,メタノール-エーテル-水(7:2:0.5,v/v)を用いてアセチル化セルロース層上で二次元展開を行なう.スポットの検出は短波長紫外線照射下で行なう.以上の方法によりフタロジニトリルとその代謝関連物質は比較的よく分離することを認めた.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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