分析化学
Print ISSN : 0525-1931
減速電場方式光電子スペクトロメーターの試作
光電子分光法の分析化学への応用(第1報)
横山 友池田 重良
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1971 年 20 巻 12 号 p. 1497-1502

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抄録
584ÅのHe I共鳴線を光源とする減速電場方式の光電子スペクトロメーターを設計,製作した.アルゴン,クリプトンおよびキセノンを試料ガスとして本装置により光電子スペクトルの測定を行なった.ヘリウム放電管の動作条件の検討,スペクトルの形やスペクトルの強度に影響を与える諸因子の検討を行なった.これらの実験により次のような結果が得られた.(1)ヘリウム放電管を最適条件で動作させると,アルゴンガスで約10-11Aのイオン化電流が得られた.(2)本装置によって得られるスペクトルの分解能は約1eVであるが,イオン化電位は約0.05 eVの正確さで測定することができた.(3)試料ガス圧とスペクトル強度の間に直線関係のあることから,光電子スペクトロメーターの定量分析への応用の可能性のあることがわかった.
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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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