分析化学
Print ISSN : 0525-1931
等温ガスクロマトグラフィーの相対保持値の対数と昇温ガスクロマトグラフィーの相対保持値の間の一次関係
竹村 功
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1971 年 20 巻 5 号 p. 531-534

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抄録

著者はシリコーンDC 550を用いた香料のガスクロマトグラフィーで,等温ガスクロマトグラフィーの相対保持値の対数と昇温ガスクロマトグラフィーの相対保持値の間に,同族列に限らず異族間にも同じ一次関係がなりたつことを報告した.そして,そのこう配に影響を与える諸因子について考察した.
本報は残る因子,すなわちカラム液相の種類と極性について検討した.極性カラムにはカーボワックス20M,ポリジエチレングリコール・サクシネートを,そして無極性カラムとしてはアピエゾンL,シリコーンSE31を使用した.その結果,カラムの種類および極性のいかんを問わず一次関係がなりたつことを知ったが,無極性カラムのほうがよりよい一次関係が得られた.それは,無極性カラムでは溶質の揮発性がその蒸気圧によって第一義に決定されるのに反し,極性カラムでは溶質に加成的な力が働き,揮発性がその蒸気圧に単純に従わないためであろうと思われた.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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