抄録
キサンテン系食用タール色素のうち,エオシン(食用赤色103号)およびフロキシン(食用赤色104号)の水溶液のポーラログラフィーについては,さきに報告したように変則波を含んでいた.今回,この変則波が現われない条件について種々検討した結果,溶媒にジオキサン-水の混合溶液を用いることによって正常なポーラログラムが得られた.
0.1Mテトラメチルアンモニウムクロライドを支持塩として,エオシンについてはpH1.0~14.0,フロキシンの場合はpH3.8~14.0においてポーラログラフィーを行ない,pHの変化による波形と半波電位の変化を調べた.
また,これらの色素のpH3.8の溶液における温度ならびに水銀圧の変化による電流の変化から,限界電流は拡散電流を示していることを認め,10-3~10-4M程度において簡便に定量できることがわかった.