1974 年 23 巻 8 号 p. 931-935
5-クロロ-7-ヨード-8-キノリノールの酸解離定数を求めるとともに,この化合物によるコバルト(II)の吸光光度定量について検討を行なった.25.0℃±0.1℃,イオン強度0.1,50%(v/v)ジオキサン-水中での,5-クロロ-7-ヨード-8-キノリノールの酸解離定数は10-8.57であった.コバルト(II)は,pH7以上で5-クロロ-7-ヨード-8-キノリノールと1:2の組成の錯体をつくり,この錯体のクロロホルム中への抽出率は,水相のpHが9.1~9.3のとき最大となった.また,このクロロホルム抽出液は430nmに吸収極大を示し,検量線はコバルト(II)が0~5ppmの範囲で直線となり,この波長における錯体の見かけのモル吸光係数は9.35×103であった.