1975 年 24 巻 1 号 p. 49-52
オキシンを用いて金属元素を抽出光度定量する際,シュウ酸塩が存在すると幾つかの元素は酸性側での抽出が妨げられる.アルミニウムをはじめ12元素につきシュウ酸塩存在下における抽出pH範囲を検討し,影響の程度の差を利用して鉄基,ニッケル基耐熱合金中の(0.1~2)%のアルミニウムの定量方法を確立した.シュウ酸0.25g存在下pH5.6~5.8で鉄,ニッケルなどをオキシン錯体として抽出分離し,水相のアルミニウムをpH9~10で同様に抽出し光度定量する.各種の耐熱合金試料を分析しほぼ満足すべき結果を得た.
この方法は,オキシン抽出光度法によるアルミニウムの定量において,選択性を高める手法の一つとして他にも応用できると考える.