分析化学
Print ISSN : 0525-1931
ビス(4-スルホベンジル)ジチオカルバミン酸ナトリウムを用いる水銀(II)の直接キレート滴定
田中 善正尾堂 順一狩屋 和子
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1977 年 26 巻 1 号 p. 60-63

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抄録

9種類の水溶性ジチオカルバミン酸誘導体を用いて水銀(II)の直接キレート滴定を行い,滴定試薬としての有用性を比較検討した結果,ビス(4-スルホベンジル)ジチオカルバミン酸ナトリウム(Na-BSDTC)が最も優れていることを見いだした.BSDTCは各種金属イオンとキレートを生成し,なかでも水銀(II)との安定度が最も高い.微量銅(II)イオンの存在下,水銀(II)をNa-BSDTCで滴定すると水銀(II)とのキレート生成(極淡緑色のHg-BSDTC)が終了した所で,Cu-BSDTCの黄かっ色を呈する.この反応を利用して,10-3M程度の微量水銀(II)の直接キレート滴定を行った.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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